便秘に効く食品は牛乳。下剤の副作用もなし

牛乳は便秘に効く食品で、しかも下剤に特有の副作用もありません。普通は便秘に効く食品としてはヨーグルトを想像しがちですが、ヨーグルトよりも牛乳の方が便秘に対する効果が優れているでしょう。

便秘に効く食品として牛乳の方がヨーグルトよりも優れている理由は、牛乳に含まれている乳糖という成分が多いことです。この乳糖が便秘に効くのです。牛乳の便秘解消効果は体質的に乳糖不耐症である人ほど大きいです。

なお、日本人の約8割は乳糖を分解する能力が低い乳糖不耐症の体質です。

ヨーグルトを作る時に原料の牛乳を発酵させることで、10~30%くらいの乳糖が乳酸菌によって乳酸に変えられてしまいます。ヨーグルトは牛乳と比べて乳糖が少ないため、便秘解消効果が低いのです。

また、ヨーグルトには牛乳にない整腸作用があるので便秘に効くと思われるかもしれませんが、ヨーグルトの整腸作用は大きくありません。なぜならヨーグルトの乳酸菌は胃酸で死滅してしまうため、ヨーグルトを摂取しても腸まで届かないためです。

乳糖不耐症の人が牛乳を飲むと下痢になりますが、これを便秘解消に利用します。牛乳を飲むと便通を引き起こすメカニズムを解説します。

乳糖不耐症の体質では乳糖が分解されないまま(十分に分解されないまま)小腸を通過し、大腸へ達します。この分解されなかった乳糖が腸壁の浸透圧を上げますが、体が乳糖によって上げられた浸透圧を下げようとして腸壁から水分を出します。この水分によって便が軟化し、浸透圧性下痢という下痢の一種が引き起こされます。

また、一部の乳糖は腸内の微生物によって乳酸へ分解されますが、これが便を酸性に傾かせて大腸を刺激し、便を排出させようとする蠕動運動が起こります。

牛乳に含まれる乳糖を下剤の代用とする場合の利点は、下剤のような副作用(下剤の常用で下剤が効かなくなる副作用、または自力での排便が困難になる副作用)がないことです。

ただし、乳製品アレルギーを持つ人は注意しましょう。