ヨーグルトは便秘解消効果が低い

ヨーグルトには便秘解消効果が本当にあるのでしょうか。ヨーグルトを食べる動機はたいていヨーグルトの便秘解消効果や整腸作用を期待してのことだと思います。

カルシウムを摂取するためにという理由もあると思いますが、だいたいは便秘を解消したいから、整腸作用を期待しているから、という理由が大部分だと思います。しかし、もしヨーグルトの便秘解消効果が低いとすれば…

便秘を解消するためには食物繊維をたくさん摂取して、腸内の便のカサを増やしたり便の流れをスムーズにしてあげなければなりません。不溶性食物繊維を摂取することで便のカサが増えますし、水溶性食物繊維を摂取することで腸内の便の通過がスムーズになります。

では、そもそもヨーグルトがなぜ便秘解消によい、と言われているのでしょうか。ヨーグルトの便秘解消効果の根拠は、ヨーグルトに含まれている乳酸菌やビフィズス菌が整腸作用をもたらすことです。

しかし、ヨーグルトの整腸作用はかなり低めです。なぜなら、ヨーグルトに含まれている生きた乳酸菌やビフィズス菌も、胃の消化酵素の強酸によって死滅してしまうからです。ヨーグルトを食べても腸に届くのは、乳酸菌やビフィズス菌が死んでしまった後のものなのです。

もちろん死んでしまった乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトも、一定の整腸作用はもたらします。ヨーグルトが酸っぱいのは乳酸菌やビフィズス菌が酸や酢酸を作ったからですが、このヨーグルトに含まれている酸や酢酸が腸内の悪玉菌を減らすという整腸作用をもたらすのです。

ただ、乳酸菌やビフィズス菌は腸内で生きている方が効果が大きいです。生きていれば腸内で酸や酢酸を生産するので、わざわざヨーグルトを食べて酸や酢酸を補う必要もなくなります。乳酸菌やビフィズス菌には腸内で生きて働いていてもらった方が、酸や酢酸をたくさん生産してどんどん腸内の悪玉菌を退治してくれるわけです。

腸内で生きている乳酸菌やビフィズス菌を増やす方が便秘にも効果的です。そのためには腸内の乳酸菌やビフィズス菌にエサを与えるのが有効で、そのエサになるものが食物繊維やオリゴ糖なのです。