食事制限で脂肪を落として筋肉を落とさないためには?

食事制限をすれば脂肪だけでなく筋肉も落ちる、とよく言われます。なぜ筋肉が落ちることを問題視するのかと言うと、筋肉が落ちると基礎代謝が低下するからです。

そこで、筋肉を極力落とさず脂肪を主に落とす食事制限の方法について解説します。

まず、なぜ食事制限をすると筋肉が落ちるのかを知っておく必要があります。

筋肉はたんぱく質(=アミノ酸の集合体)でできている、すなわち筋肉はアミノ酸でできています。この筋肉のアミノ酸が分解されると筋肉量が減ります。

どういう時に筋肉のアミノ酸が分解されるのかというと、脳へのエネルギー供給が不足した時です。脳は基本的にブドウ糖しかエネルギー源として利用できません。

食事制限をすることによって脳へのエネルギー供給量が足りなくなった場合、筋肉が分解されてアミノ酸が取り出され、そのアミノ酸がエネルギーに変換されて脳へ供給されるのです。

だから、どんな食事制限の場合も筋肉が分解されるわけではなく、脳へのエネルギー供給量が足りなくなった場合だけ筋肉が分解されるというわけです。

脳は1日にエネルギー量に換算して720kcal分の炭水化物を必要とします。炭水化物で1日に720kcalを摂取しなかった場合、筋肉が分解されるのです。だから、炭水化物は1日に最低でも720kcal摂取しておくことが筋肉の分解を防ぐ1つのポイントです。

そして2つ目のポイントとして、たんぱく質をできるだけ多めに摂取しておくことです。

先ほど筋肉はたんぱく質(アミノ酸)でできていると書きましたが、たんぱく質という筋肉の材料を多めに摂取しておくことで、食事制限で多少多めにカロリー制限しても筋肉の分解が起こりにくくなります。

先ほど脳へのエネルギー供給が足りなくなると、筋肉を分解してアミノ酸を取り出してエネルギーに変換すると書きました。

たんぱく質を多めに摂取しておけば血液中のアミノ酸量が多くなるため、わざわざ筋肉を分解する前に血液中のアミノ酸をまず利用するようになります。

これによって多少厳しいカロリー制限をしている時にも筋肉が分解されにくくなるのです。

以上の2点の対策(1.1日に炭水化物で720kcal以上を摂取すること、2.たんぱく質をできるだけ多く摂取しておくこと)を行いながら食事制限をすれば、脂肪を落としつつ筋肉を極力落とさない理想の痩せ方ができます。

基礎代謝を低下させないためにも、以上の2点の対策を行いながら食事制限を行ってください。