有酸素運動は空腹時にしないと脂肪が燃焼しない?

脂肪を燃焼させるには有酸素運動を空腹時にやらなければ意味がない。このような話を聞いたことはないでしょうか?

例えばご飯を食べてからジムへトレーニングに行ったところ、トレーナーにこのように言われたなどです。

よく言われていることは、「食後すぐの有酸素運動だと食べたもののカロリーを消費するだけなので、体脂肪を燃焼するところまでいかない」といった話でしょうか。

「空腹時に有酸素運動をしないと脂肪が燃焼しない」という話が本当なのかを解説します。

空腹時の運動が体脂肪を燃焼させやすいのは本当

空腹の時に運動をした方が体脂肪がエネルギー源に使われやすくなり、その結果、体脂肪が多く燃焼します。これは本当のことです。

空腹時の運動が体脂肪を多く燃焼させる理由は、空腹時は血糖値が低くなっている(血液中に流れているブドウ糖が少なくなっている)からです。

運動をする時には血液中に流れているブドウ糖と筋肉に貯蔵されているブドウ糖、体脂肪がエネルギー源として使われます。

食後すぐの血糖値が高い状態だと、血液中のブドウ糖をエネルギー源として優先的に使用するため、体脂肪が使われにくくなります。だから食後すぐは体脂肪が燃焼しにくいのです。

逆に空腹時だと血糖値が低いため、体は運動するためのエネルギーを引き出すには体脂肪を利用するしかありません。だから空腹時は体脂肪が燃焼しやすいのです。

だけど、この体のしくみを以て、空腹時の運動がダイエットに有利だと考えるのは間違いです。

最後に残る体脂肪の量はどっちも同じ

ダイエットで重要なのは体脂肪が最終的にどれだけ残るかです。運動のタイミングが食事の前の方が最終的に残る体脂肪が少ないのか、食事の後の方が少ないのか、ここが重要ポイントです。

食事で炭水化物(ブドウ糖)を400kcal分摂取し、その直後に100kcal消費する運動をしたとします。この場合は運動で血液中のブドウ糖100kcal分を消費し、残りのブドウ糖300kcal分が体脂肪として蓄積されます。

最終的に体に蓄積される体脂肪は300kcal分です。(+400kcal-100kcal=300kcal)

逆に空腹時に運動で100kcal消費して、その後に食事で炭水化物を400kcal分摂取したとします。この場合はまず運動で体脂肪100kcal分が消費された後、摂取した炭水化物400kcal分がそのまま体脂肪として蓄積されます。

この場合も同様に、最終的に体に蓄積される体脂肪は300kcal分です。(-100kcal+400kcal=300kcal)

最後に残る体脂肪の量はどっちの場合も同じだと思いませんか?

空腹時に運動をした方が体脂肪が多く燃焼する、という考え方は全く意味がないのです。