食物繊維が便秘を悪化させる場合も

便秘の種類によっては食物繊維の摂取が便秘を悪化させることもあります。食物繊維の摂取で逆に悪化する便秘の種類とは、まずストレスを原因とする痙攣性便秘が挙げられます。

痙攣性便秘とはストレスを強く感じることにより、大腸の蠕動運動が強すぎて痙攣してしまった状態により引き起こされる便秘のことです。大腸が痙攣することで正常な便の排出が困難になり、便が停滞してしまいます。

このような痙攣性便秘の時に食物繊維を摂取すると、ひどい腹痛に襲われる恐れがあります。

食物繊維の摂取は便のカサを増やしたりするため、普通なら便秘の解消には有益な効果をもたらします。しかし痙攣性便秘の場合、便のカサが増えても大腸が便を排出できないのでひどい腹痛に襲われることがあるのです。

また大腸ポリープ、腸管癒着、腸閉塞などを原因とする器質性便秘(腸の食物・便の通路が狭い・ふさがりかけていて通り抜けにくい)の場合も食物繊維の摂取が便秘を悪化させる可能性があります。

腸内細菌が食物繊維を醗酵する際に出るガスがたまり、よけいに腸における便の通りが悪くなることもあるからです。

これら痙攣性便秘や器質性便秘の疑いがある場合は、便秘に効果があるからとむやみに食物繊維を摂取せず、医師に相談をした方がよいでしょう。

しかし、痙攣性便秘や器質性便秘など特殊な便秘を除き、ごく普通の便秘の場合は食物繊維の摂取は便秘解消に有益な効果をもたらします。

食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の二種類があります。水溶性食物繊維は便に水分を与えて柔らかくすることで便の排出をスムーズにします。不溶性食物繊維は便のカサを増やして腸の蠕動運動を促進させます。

二種類の食物繊維では水溶性食物繊維の方が便秘解消効果が強いです。トイレにいってもなかなか便が出ない時は、水分があまり多くない硬い便が出ることが多いはずです。

水溶性食物繊維は大麦に意外と多いです。例えば大麦麺などは他の麺類と同じで食べやすく、水溶性食物繊維の摂取に適していると思います。