脂肪吸引と脂肪溶解注射の効果の違いは?

脂肪吸引と脂肪溶解注射はどちらも似たような施術内容に思えて、効果の違いがよくわからない人も多いと思います。どちらも気になる脂肪を部分的に減らす方法です。

脂肪吸引を受けるべきか、それとも脂肪融解注射を受けるべきか、と迷っている人も多いと思います。

また、脂肪吸引は体にメスを入れるのが怖いから脂肪融解注射の方がいいのかな、という思いもあると思います。

脂肪吸引と脂肪溶解注射の効果の違いとともに、メリット、デメリットなどもあわせて解説します。

脂肪吸引のメリットとデメリット

脂肪溶解注射に比べて脂肪吸引の方が多くの脂肪を取れることがメリットです。逆にデメリットは脂肪溶解注射と比べて多くなります。

以下に脂肪吸引のデメリットをいくつか挙げてみます。

1.術後の見た目が悪くなる可能性がある。

(脂肪吸引は脂肪溶解注射よりも多くの脂肪を減らせるだけあって、術後の仕上がりは美容外科医の技術に大きく左右されます。脂肪吸引した部分が不揃いになったり、皮膚にデコボコができてしまう場合もあります。)

2.脂肪吸引後は脂肪吸引した部分に脂肪が付きにくくなる代わり、脂肪吸引していない部分に集中して脂肪が付くようになる。

(例えば太ももの脂肪吸引をした場合は、脂肪吸引後に太ればふくらはぎや顔、二の腕、お腹、内臓脂肪など、脂肪吸引していない部分に集中して脂肪が付くようになる。)

3.神経や皮膚、臓器などを傷つけてしまう可能性がある。

(東京都豊島区の美容外科で2009年に死亡事故が発生したのは、腹壁と腸を損傷したことが原因でした。神経を傷つけることで感覚がおかしくなり、これが障害としてずっと残る可能性もあります。)

もし今のあなたがポッコリ太ってはいるけれど、肌の綺麗さは自慢だった場合。脂肪吸引後に肌がコンプレックスになる可能性はあります。

また、太ると脂肪は体全体に平均的に付くものですが、太っているとは言えそれが自然美であったりします。だけど、脂肪吸引をすればその部分だけ削ぎ取ったようになくなってしまうので、かじられたリンゴのようにいびつな体型になって後悔するかもしれません。

全ては美容外科医の技術次第だということです。

もしあなたが脂肪吸引を考えているのなら、上に書いたデメリットがあなたにも起こる可能性が十分にあることを理解し、美容クリニック選びは慎重に慎重を重ねてください。

脂肪溶解注射の効果と安全性は?

脂肪溶解注射は脂肪吸引ほど多くの脂肪を減らすことができません。一度で溶解できる脂肪はかなり少ないので、満足できるほど多くの脂肪を減らすには何度も施術を受ける必要があるのです。

これは脂肪溶解注射のデメリットと言えるでしょう。

脂肪溶解注射を繰り返し受けても目に見えるほど脂肪が減らなかった場合、「脂肪吸引をやってしまった方が手っ取り早いのでは・・・」という気持ちに襲われるかもしれません。

このように、脂肪溶解注射の効果は脂肪吸引と比べればかなり小さいと思います。

安全性に関しては脂肪吸引ほど危険性が大きくないとは思いますが、施術直後はあざのような腫れと筋肉痛のような痛みがひどく、内出血して2倍ほどに腫れ上がることもあります。

脂肪溶解注射は1回では効果がないので、「最初の1回目がこれほど痛かったし、2回目はもうないな・・・。しかも1センチもサイズダウンしなかったし・・・。」という感想を持つ人も多いのではないでしょうか。

脂肪溶解注射の成分

脂肪溶解注射の成分としては、フォスファチジルコリンが主成分であると書かれていることが多いです。また、フォスファチジルコリンが脂肪を溶解させると解説してあります。

でも最近の研究では、フォスファチジルコリンが脂肪を溶解しないことが明らかになりました。

実はフォスファチジルコリンを水に溶かすための添加剤として配合されていたデオキシコール酸が、偶然にも脂肪を溶解していたということです。

よって、フォスファチジルコリン100%の場合は脂肪は全く溶解しないことになります。

脂肪溶解注射で溶けた脂肪はどこへ行く?

脂肪溶解注射を受けた後に溶けた脂肪については、尿として排出されると言われています。でも実際には溶けた脂肪が尿として排出されることはありません。

体の中の三大栄養素であるたんぱく質と炭水化物と脂肪のうち、たんぱく質については必要ない分は尿として体の外に排出されます。

だけど炭水化物と脂肪はカロリーを消費して燃焼しないかぎり、なくなることはありません。脂肪溶解注射で溶かした脂肪は体の中にとどまっているのです。

じゃあ溶けた脂肪はいったいどこへ行ってしまうのか?

動脈硬化の原因となる中性脂肪として血液中に取り込まれて全身を巡ります。(体質的に動脈硬化になりやすい人の場合、この点は脂肪吸引より危険性が高くなります。)

この時に運動をしてカロリーを消費すれば燃焼してなくなるわけですが、運動をしなければ再び脂肪組織に取り込まれて体に蓄積されます。

要するに、溶かした脂肪は体の別の部分に付くので、脂肪溶解注射を受けても痩せることはない、ということです。

脂肪吸引の場合は術中に脂肪を取ってしまうので術後に痩せたと言えなくもないのですが、脂肪溶解注射の場合はそうではありません。

これも脂肪吸引と脂肪溶解注射の効果の違いの1つと言えます。